1月26日
カード支払いの安全性
事の始まりは、ある男性がカード支払いの弱点を暴いてしまったこと。彼の名前はSerge Humpich。30代半ばの、コンピューター関係の仕事に勤めていた。彼がこの「弱点暴き」を始めたのは1993年。1997年になって、システムの鍵ともいえるものの存在を発見。それからは時間の問題だったという。1998年に彼は、カード支払いを取り締まっている大手会社に弁護士を通して連絡する。カード保護のシステムを破壊することができる、と言って・・・。
Serge Humpichには、それを悪用するなどという考えは全くなかった。「それならとっくに行為を犯している」と彼は言う。それよりも彼は、そのシステムの弱点を解決するソフト(勿論彼が開発した)を売る、という考えでいた。システムを向上させる権利はないのか? とは自身のホームページにある言葉だ。
一方カード支払いを取り締まっている会社側は、彼らが雇った数十人というチームが作り上げた「完璧」なシステムがたったひとりの男に破壊されてしまったという事実を、すぐには信じるはずがなかった。Humpichが証拠を見せたことによって、彼らはたちまち慌て始める。システムを全て作り直すとすると、3兆フランを投資しなければならない。3兆フラン、いわば彼らの年間利益とほぼ同額、である。
そしてある朝、Humpichは「自動システムへの不法行為および偽造行為」を行ったとして、30人の警官に囲まれ逮捕された。自宅は隅々まで調べられ、彼の弁護士までもが家宅捜査され、背後にマフィアなどが関係していないかどうかも調べられた。
彼は現在検察側からは5万フランの罰金と2年間の懲役を求められている。問題になっている「偽造行為」など犯していない彼は、多くの人が利用するカード支払いのセキュリティの向上に貢献したかっただけなのだ。それに対する判決はまだ下されていない。
Serge Humpichのホームページ:altern.org/humpich

1月19日

メールでチャリティー
先月中旬にフランス北部を中心に襲った嵐の被害者の手助けをと、ラジオ局・RTLが1月10日に企画した"1 mail = 1 franc"で、合計約5万人の人々が参加した。
このお金は、Fondation de France(フランス基金)に振り込まれる。援助施設が設けたこの基金に、既に合計674億フランが集められていた。RTLはこれにもうひとおしをとこの企画を実施した。一方France3は嵐に関する特別番組を8日、9日にかけて実施。公式サイトにも援助のページを設けた。
RTL:www.rtl.fr
France3www.france3.fr

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